山土
やまつち
名詞
標準
文例 · 用例
山土のいろもあかく見えたる。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
山土のいろもあかく見えたる、あまりうつくしさに恐しくなりて、家路に帰らむと思う時、わが居たる一株の躑躅のなかより、羽音たかく、虫のつと立ちて頬を掠めしが、かなたに飛びて、およそ五六尺隔てたる処に礫のありたるそのわきにとどまりぬ。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
竹のまだ青々した建仁寺垣の結い繞らされた庭の隅には、松や杜松に交って、斑入りの八重の椿が落ちていて、山土のような地面に蒼苔が生えていた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
さみしくなるとうぐひすぶゑ(叡山土産の一つが残つてゐた)をふく、ずゐぶんヘタクソ鶯だね、そこが山頭火だよ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
日光と霧と松脂のしずくとが細かく降注ぐ山土の傾斜、ふやけた落葉の堆積のなかから踊り出して来たこの頭の円い菌こそは、松山の赤肌に嗅がれる体臭を、遺伝的にたっぷりと持ち伝えた、ちゃきちゃきの秋の小伜である。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
企業家ガ其ノ企業的能力ヲ其ノ資本タル機械鑛山土地等ニ加ヘテ利益ヲ計ルト同ジク、勞働者ハ其等ノ資本ニ勞働ヲ加ヘテ利益ヲ計ル者ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
鑛山土地等其者ハ全ク自然ノ存在ニシテ其レヲ所有セシムル凡テノ力ハ國家ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
」 江戸の巻――奇術駕籠―― お山土産「面目ねえ。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫