雌猫
めすねこ
名詞
標準
文例 · 用例
おそらくあらゆる猫族の特性を最も顕著に備えた、言わば最も猫らしい猫の中の雌猫らしい雌猫であるかもしれない。
— 寺田寅彦 『子猫』 青空文庫
「三毛」はいろいろの点において「玉」とはまさに対蹠的の性質をもった雌猫であった。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
大部分まっ黒でそれに少しの白を交えた雌猫であった。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
それだから千金の春宵を心も空に満天下の雌猫雄猫が狂い廻るのを煩悩の迷のと軽蔑する念は毛頭ないのであるが、いかんせん誘われてもそんな心が出ないから仕方がない。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
私の家には、祖母の代から飼いはじめたという三毛の雌猫がおりました。
— 小酒井不木 『猫と村正』 青空文庫
仔猫のタマは、そんなことは少しも気にかけぬらしく、お婆さんの膝の上で長々とあくびをすると、それから唾をつけて顔を洗ひ、眉毛をなで、口ひげをしごき、しきりに雌猫らしく、おめかしをしはじめました。
— 槇本楠郎 『仔猫の裁判』 青空文庫
あんなのは羅生門河岸にも大根畑にも居ませんよ」「馬鹿だな、その氣だから狐にも雌猫にも化かされるんだ――それから何うした」「第一、あの話し振りの面白さと言ふものは、親分の前だが、――柳橋から谷中まで、なんの事はねえ、掛け合ひ噺だ。
— 傀儡名臣 『錢形平次捕物控』 青空文庫
こんな貞女を追ひ出して、あの雌猫の化けたやうな女と一緒になる積りだらう。
— 平次女難 『錢形平次捕物控』 青空文庫