展翅
てんし
名詞
標準
文例 · 用例
その鼠害というはなかなか日本のような事でなく、予かつて虫類を多く集め来り、針もて展翅板へ留め居る眼前へ鼠群襲い来り、予が一疋の蝶に針さす間に先様から鼠に粉※され、一方へ追い廻る間に他方より侵来して何ともなる事でなかった。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
僕は、捕虫網と毒瓶と魔酔薬と展翅板と解剖器と標本箱の類ひを槍や楯のやうに抱へ込み、そして一てうのギターを背中につけて逃げ伸びて来た。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
合憎くと暗いランプの下で、背中を丸めて展翅板の蝶々を脱してゐたところだつた。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
――私は、カラス・アゲハの翅が展翅板からはみ出るので、ハガキを切つて板の端に付け足してゐた。
— 牧野信一 『真夏の朝のひとゝき』 青空文庫
彼の部屋には捕虫網や、箱や、毒瓶や、展翅板や、若干の本があり、典型的な昆虫学者の部屋であった。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫