屠体
とたい
名詞
標準
carcass
文例 · 用例
不思議なくらいに顕著なおでこと、鉄縁の小さな眼鏡とたいへんなちぢれ毛と、尖った顎と、無精鬚。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
月の十何日、風のない暖かい日、医者の許可を得たから植物園へ連れて行ってやると言うとたいへんに喜んだ。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
後者は、城山のふもとの橋のたもとに人の腕が真砂のように一面に散布していて、通行人の裾を引き止め足をつかんで歩かせない、これに会うとたいていはその場で死ぬというのである。
— 寺田寅彦 『化け物の進化』 青空文庫
こういう種類の現象は分類的に見るとたいてい事がらが偶然的に統計的であって、古典的物理学の意味において deterministic でないような部類に属しているのである。
— 寺田寅彦 『量的と質的と統計的と』 青空文庫
そういう場合に寄り集まった材料が互いに別々な畑から寄せ集められたものである以上各部分の間にはなんらの必然的な連絡はなく、従ってそれらの堆積はやはり単なる素材の堆積であり団塊であるというだけで、結局はその学者なる陶工の旋盤の上に載せられた粘土の団塊とたいした変わりはないであろう。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
ことしの東京の春は、北国の春とたいへん似ています。
— 太宰治 『春』 青空文庫
そこの練馬駅から東上線で池袋へ行き、そこで省線に乗り換え、新宿駅へ着いたら、東京行の省線に乗り換え、水道橋というところで降りて、とたいへん遠い路のりを、不自由な日本語で一生懸命に説明して下さいましたが、どうやらそれは、本郷の春日町に行く順路なのでありました。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
いかなる人にいかなる恋をしたらいいかと聞かれるのとたいした相違はないような気がする。
— 寺田寅彦 『読書の今昔』 青空文庫