縊
縊
名詞
標準
文例 · 用例
松葉に光る 詩集後篇この章に集めた詩は、「月に吠える」の前半にある「天上縊死」「竹と哀傷」等の作と同時代のもので、私の詩風としては極めて初期のものに屬する。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
松葉に光る燃えあがる燃えあがるあるみにうむのもえあがる雪ふるなべにもえあがる松葉に光る縊死の屍體のもえあがるいみじき炎もえあがる。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
むざんや口角より血をしたたらし、合掌し、瞑目し、むざんや天上に縊れたるものの、光る松が枝に靈魂はかけられ、霜夜の空に、凍れる、凍れる。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
最後には或る雪の凍つた朝木賃宿の窓の横木に首を縊つた。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
私が山王山を知つてから、いづれも生活の敗残者であらう、この森の中で、首縊りが二人ばかりあつた、人目を避けるに、都合がいゝとは言ひながら、不思議なことに、死ぬ人は原始的に安息な自然を選ぶ、川や海に身を投げる人と森の中で縊る人と。
— 小島烏水 『亡びゆく森』 青空文庫
そこには、網棚から兵児帯を吊して、首でも縊る時のように、輪の中へ顎を引っかけて、グウグウ眠っている男があった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
春の朝、二三輪の花の咲きほころびた梅の枝に朝日が当って、その枝にハイデルベルヒの若い学生が、ほっそりと縊れて死んでいたという。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
私は鎌倉の山で縊死を企てた。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫