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山影

さんえい
名詞
1
標準
文例 · 用例
希望や、空想や、旅情やが、浪を越えて行くのではなく、空間の無限における地平線の切斷から、限りなく單調になり、想像の棲むべき山影を消してしまふ。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
希望や、空想や、旅情やが、浪を越えて行くのではなく、空間の無限における地平線の切断から、限りなく単調になり、想像の棲むべき山影を消してしまふ。
萩原朔太郎 散文詩集『田舎の時計 他十二篇』 青空文庫
「我子とは誰ぞ」老婦は素知らぬ顔にて問いつ、「幸助殿はかしこにて溺れしと聞きしに」振り向いて妙見の山影黒きあたりを指しぬ、人々皆かなたを見たり。
国木田独歩 源おじ 青空文庫
南は山影暗く倒に映り北と東の平野は月光蒼茫として何れか陸、何れか水のけじめさへつかず、小舟は西の方を指して進むのである。
國木田獨歩 少年の悲哀 青空文庫
翁が呆然眺め上げる福慈岳の山影は天地の闇を自分に一ぱいに吸込んで、天地大に山影は成り切った。
岡本かの子 富士 青空文庫
それから連想でもしてわたくしを興がらせ、慰めるつもりなのでしょう葛岡は、闇の中にもしるき黒い山影を透し眺めて、「赤城山に出る天狗は団扇天狗というのだ。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
「狐、狸、畜生――」 わたくしはこのさみどりの簾雨を浴びながら碧羅の山影を望むにつけてもなお執拗にこう呟かずにはいられませんです。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
南は山影暗くさかしまに映り、北と東の平野は月光|蒼茫としていずれか陸、いずれか水のけじめさえつかず、小舟は西のほうをさして進むのである。
国木田独歩 少年の悲哀 青空文庫