発銃
はつじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
顔容勝れて清らかな少年で、土間へ草鞋穿の脚を投げて、英国政府が王冠章の刻印打つたる、ポネヒル二連発銃の、銃身は月の如く、銃孔は星の如きを、斜に古畳の上に差置いたが、恁う聞く中に、其の鳥打帽を掻取ると、雫するほど額髪の黒く軟かに濡れたのを、幾度も払ひつゝ、太く野路の雨に悩んだ風情。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
」と言ふをきツかけに、ずらして取つて引寄せた、空の模様、小雨の色、孤家の裡も、媼の姿も、さては炉の中の火さへ淡く、凡て枯野に描かれた、幻の如き間に、ポネヒル連発銃の銃身のみ、青く閃くまで磨ける鏡かと壁を射て、弾込したのがづツしり手応。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
そこで、ほとんど衝動的に連発銃をとりあげようとした。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
)連発銃で、まだ弾が篭めてあるらしい。
— 岡本綺堂 『青蛙神』 青空文庫
して見ると教えさえすれば猴も秉燭はおろか中らずといえども遠からぬほどに発銃くらいはするなるべし。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
昔の単発銃のだからずいぶん大きかった。
— 大杉栄 『自叙伝』 青空文庫
一発銃を撃ちはなすと慌てて姿を隠すのであった。
— 国枝史郎 『沙漠の古都』 青空文庫
それからまた二三発銃声がして、それがやむと、塔をさして、四五人の黒い人影が走つて来ました。
— 宮原晃一郎 『ラマ塔の秘密』 青空文庫