捕らわれる
とらわれる
動詞
標準
文例 · 用例
晩方になって、もう、人に捕らわれる心配がなくなると、漁師は、鳥を逃がしてやったのであります。
— 小川未明 『はまねこ』 青空文庫
このままでいるとまたいつもの感覚に捕らわれるのだ。
— 石塚浩之 『UV』 青空文庫
注文しておいた酒をとうとう持つてきてくれなかつた、失念したためか、信用がないためか、……どちらでもよろしい、……酒に囚はれるな。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
尤もそんな馬鹿げた講義を聞いたつて囚はれる気|遣はないから大丈夫だが、大学に気の毒で不可ない。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
」などゝ云ひながら――「あゝ、つまらないところだ、俺には故郷などいふものに囚はれる気持は始めからないのだ。
— 牧野信一 『鶴がゐた家』 青空文庫
「延子と会はなかつた宵の中と同じ気持だ、感情がある以上女が目の前に現れゝば、それに囚はれることは俺に取つては不思議はないんだ。
— 牧野信一 『坂道の孤独参昧』 青空文庫
それは誰れでもが囚はれる――そして、それは或る場合、當人を事實全く氣狂ひのやうにしてしまうかも知れない――堪え難い、ハケ口のない陰鬱な壓迫だつた。
— 小林多喜二 『一九二八年三月十五日』 青空文庫
誰も昨日に囚はれるな、我我の生活のみづみづしい絵を塗りの剥げた額縁に入れるな。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫