どこへともなく
どこへともなく
表現
標準
suddenly disappears somewhere
文例 · 用例
それで、そこへお墓を作って、いったんそこへお鎮め申しましたが、しかし鳥は、あとにまた飛び出して、どんどん空をかけて、どこへともなく逃げ去ってしまいました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
黙然として立ち上がると、名人右門は珍しやしんしんとうち沈んで、思いあぐねたようにふらふらと真昼の表口をどこへともなく歩きだしました。
— 朱彫りの花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
先刻から軒さきに突つ立つた高い木の枝にとまつて、鈴を振るやうな美い声で、ちんからころりと鳴いてゐた小鳥が、どこへともなく去つてしまつた後は、あたりはひつそりとして乾いた山路に落ちかかつたそこらの立樹の影が、地べたを這ふ音さへ聞かれさうな日でした。
— 薄田泣菫 『小壺狩』 青空文庫
どこへともなく素張らしい勢いで落ち込んで行く。
— 横光利一 『夢もろもろ』 青空文庫
けれど、「さ、寺田君手伝ってくれたまえ……」 そう耳元でいう水木の声に、ハッと気がつくと、もう今までの考えは、煙のように、どこへともなく揮発して、「玄関にあんな足袋があると変だから、片づけなきゃいけないね……」 そんな悪智慧をすら浮べる、彼だったのだ。
— 蘭郁二郎 『魔像』 青空文庫
しかるに若殿頼正は依然として城を抜け出してどこへともなく通って行く。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
毎朝毎晩看経をするのは、尼としては当然のことであったが、突然一同が打ち揃って、どこへともなく行くことがあった。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
一旦|隠れた青大将が、草むらから姿を現わしたが、また道を横切って、どこへともなく行ってしまった。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
作例 · 標準
気づいたら、彼は人混みの中にどこへともなく消えていた。
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大事な書類が、いつの間にかどこへともなく無くなっていた。
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連絡が取れなくなり、彼女はどこへともなく行ってしまった。
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