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耶無

耶無
名詞
1
標準
文例 · 用例
この場合に結果を都合のよいようにこじつけたり、あるいは有耶無耶のうちに葬ったり、あるいは予期以外の結果を故意に回避したりするような傾向があってはならぬ。
寺田寅彦 物理学実験の教授について 青空文庫
その縁談は、慶四郎の煮え切らない態度で有耶無耶になりそのまま今度の事件になってしまった。
岡本かの子 呼ばれし乙女 青空文庫
初の間は矢張頭が妙で、先刻と同じ樣にいろ/\の妄想が消しても消しても胸に浮んで來て、魔の日魔の刻――亞尼の顏――微塵に碎けた白色檣燈――怪の船――双眼鏡などが更る/\夢まぼろしと腦中にちらついて來たが、何時か晝間の疲勞に二|時の號鐘を聽かぬ内に有耶無耶の夢に落ちた。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
宇三郎の白状で、鯉を食った者はみんな判っているんですが、身分のある人は迂濶に詮議も出来ず、大町人は金を使って内々に運動したのでしょう、その方の詮議はすべて有耶無耶になってしまいました。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
こんどの談は敬吉に来て、先方は表具屋の娘だったから、これも敬吉の意見をきかぬうちに有耶無耶になった。
織田作之助 わが町 青空文庫
こんどの談は永助に来て、先方は表具屋の娘だったから、これも永助の意嚮を訊かぬうちに有耶無耶になった。
織田作之助 婚期はずれ 青空文庫
その都度金助がお君の意見を訊くと、例によって、「私は如何でも……」 良いが、俺は嫌だと、こんどは金助は話を有耶無耶に断ってしまった。
織田作之助 青春の逆説 青空文庫
唯その有耶無耶であるために、男のあとを追いもならず、生長らえる効もないので。
泉鏡花 春昼後刻 青空文庫