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角物

かくもの
名詞
1
標準
文例 · 用例
本田富次郎の頭脳が、兎に角物を言う事の出来た間中は、彼は此地方切っての辣腕家であった。
葉山嘉樹 乳色の靄 青空文庫
それから、頭腦が比較的明暸で、理路に感情を注ぎ込むのか、又は感情に理窟の枠を張るのか、何方か分らないが、兎に角物に筋道を付けないと承知しないし、また一返筋道が付くと、其筋道を生かさなくつては置かない樣に熱中したがる。
夏目漱石 青空文庫
それより以来電車は兎角物騒な感じがしてならないのだが、甲武線は一筋だと、かねて聞いてゐるから安心して乗つた。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
次に認められるのは、兎角物事が輕々しく成り立って慌ただしく改められる事である。
森鴎外 栗山大膳 青空文庫
角物を余り深く見ようとするとさうなるのだ。
THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 病院横町の殺人犯 青空文庫
勿論、書けば書いたで、書かなければ書かないで、兎角物足りなさが先に立つて、わたしたちの思ふことがなか/\さう盡せる筈もないのだが、しかし相應に心も深く、生活も豐當で、逢つて話して見れば感心するやうな婦人が、どうしてこんな手紙を書くかと思つて心に驚ろくこともある。
島崎藤村 桃の雫 青空文庫
山の中では、手挽の製材小舎を建てて、そこで小角物や板材に挽いてダラットへ軍のトラックで送り出した。
林芙美子 浮雲 青空文庫
角物事に熱中する癖があつて、どうかすると人を凌駕するやうなところもあつたのです。
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 青空文庫