渡台
とたい
名詞動詞-サ変
標準
going to Taiwan
文例 · 用例
その中に、(見当のつかなかった小僧)が小荷物受渡台の上に彼自身でさえ驚くような敏捷さで、飛び上った。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
従来、台湾に一種の興味を有し、年々|渡台するものは、行く度ごとにその進歩が著しいから、旅行に肉体的安楽はなくとも、精神的にその進歩の速度を見て愉快とする。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
おおお立合い、誰でもいい、鳥渡台笠へ障ってくんな。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
つらねと云ふのは渡台詞或は厄払と云ふ様な物に共通するものがありますが、之は今の六法を踏みながら云ふ台詞でありまして、それはどう云ふ事を云ふかと云ふと主に名乗りに使ふ。
— 岸田國士 『日本演劇の特質』 青空文庫
更に複雑化して舞台で一人の俳優が文句を云ふと其の次の者が云つて、其次々々と段々に台詞を渡して行くのが渡台詞であります。
— 岸田國士 『日本演劇の特質』 青空文庫
其れから明治廿九年乃木中将が台湾総督となる時、母堂が渡台の御暇乞に参内して、皇后陛下の御問に対し、姥は台湾の土にならん為、忰の先途を見届けん為に台湾に参ります、と御答え申上げたと云う記事は、また深く余の心に滲みた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
不思議なくらいに顕著なおでこと、鉄縁の小さな眼鏡とたいへんなちぢれ毛と、尖った顎と、無精鬚。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
月の十何日、風のない暖かい日、医者の許可を得たから植物園へ連れて行ってやると言うとたいへんに喜んだ。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫