照り付ける
てりつける
動詞
標準
文例 · 用例
風が少しもなくて、薄い朝靄を透して横から照り付ける日光には帽子の縁は役に立たぬものである。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
太陽は猛烈に照り付ける。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
………其の埃は今日も東京の空に漲ツて、目路の涯はぼやけて、ヂリ/″\照り付ける天日に焦がされたやうになツてゐた。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
横に照り付ける日を半分脊中に受けて、三四郎は左りの森の中へ這入つた。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
此|爺形の外は、大方の雪が一時に消えて、谿川を爭つて下る流れの音が騷がしく、日が強く照り付ける時は山々全體が、汗をかいて、湯氣を立てゝゐるやうにも思はれる。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫
日が山の南の肩の一角から光を滑らして、村の家々を包む時は、西の嶽が暗緑の濃厚な色を呈して、青い空にくつきり輝いて、爽かな感じを與へるが、日が次第に天に冲して、斜めに東の峰を照り付けると、淡青の色は薄絹の艶を増して、滑らかな心持の好い感じとなる。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫
午後には四人で池の端の道明、日本橋の三越、海苔屋の山本、尾張町の襟円、平野屋、西銀座の阿波屋等を廻って歩いたが、生憎残暑のぶり返した、風はあるけれども照り付ける日であったので、三越の七階、ジャアマンベーカリー、コロンバン等々、方々で一と休みしては渇きを癒さねばならなかった。
— 中巻 『細雪』 青空文庫