髪長
かみちょう
名詞
標準
文例 · 用例
雪なす羅、水色の地に紅の焔を染めたる襲衣、黒漆に銀泥、鱗の帯、下締なし、裳をすらりと、黒髪長く、丈に余る。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
と思い思う、まさしく、そこに、水底へ、意中の夫人が、黒髪長くかかって見ゆる。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
いま頭巾を脱いだる四角な額に、白髪長くすくすくとして面凄じ。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
二 天皇は日向の諸県君という者の子に、髪長媛という、たいそうきりょうのよい娘があるとお聞きになりまして、それを御殿へお召し使いになるつもりで、はるばるとお召しのぼせになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
皇子の大雀命は、その髪長媛が船で難波の津へ着いたところをご覧になり、その美しいのに感心しておしまいになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
それで武内宿禰に向かって、「こんど日向からお召しよせになったあの髪長媛を、お父上にお願いして、私のお嫁にもらってくれないか」とお頼みになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
そして、美しい髪長媛にお酒をつぐかしわの葉をお持たせになって、そのまま命におくだしになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
機会を見計つて自分に何か特にお話を請求しようといふ執心の輩、髪長き児も二人三人見える、――総て十一二人。
— 石川啄木 『雲は天才である』 青空文庫