由無い
よしない
形容詞
標準
文例 · 用例
……逢ったも同じなのでございます……」 拭くに由無い満眼の涙!
— 国枝史郎 『血ぬられた懐刀』 青空文庫
あなたはなほも、語るでせう、よしないことや拗言や、洩らさず私は聴くでせう、――けれど漕ぐ手はやめないで。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
人は皆、知ると知らぬに拘らず、そのことを希望してをり、勝敗に心|覚き程は知るによしないものであれ、それは誰も知る、放心の快感に似て、誰もが望み誰もがこの世にある限り、完全には望み得ないもの!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
君の病気は僕がなおしてあげるから、くよくよしないで、呑気な気でおることだよ」 彼はそう慰めながら、死ぬ前の妻の言葉をふと想いだした。
— 織田作之助 『蚊帳』 青空文庫
「くよくよしないことさ。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
四 あなたに取つてこれはよしない事を言ひ出したのかも知れませんね、けれども何も彼も私に取つてはお名殘であるといふ事によつてどうか許して下さい。
— 水野仙子 『響』 青空文庫
思ひのまゝにならぬのが世の中だとは言ひながら、よしない再縁のすゝめに困じ果てゝ、獨立の道をひそかに捜してゐるといつかのあなたのお手紙にありましたが、ほんとにあなたの運命もどうなるのでせう、まだ達者で元氣なお母さんと立派な兄さんとを持ちながら、あなたもやつぱり寂しい人ですねえ。
— 水野仙子 『響』 青空文庫
水のいろも春めいたいもりいつぴき 私もこのごろはあまりくよくよしないようになった。
— 種田山頭火 『三八九雑記』 青空文庫