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粉気

こなけ
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかし白粉気のない顔の表情はどこかそこらの高等女学校生徒などと比べては年の割にふけて見えるのである。
寺田寅彦 初冬の日記から 青空文庫
そして、そんな年頃の、いかがわしい女は、若さの持ついやらしさがベタベタとぬった白粉や口紅を、不潔に見せていたが、この娘の白粉気のない清潔な皮膚には、遠いノスタルジアがあった。
織田作之助 土曜夫人 青空文庫
だらんとはだけた浴衣の裾は立てた膝にまきつけていても、すぐみだれ勝ちになるのだが、それが案外だらしなく見えなかったのは、白粉気のない皮膚の清潔さと、青み勝ちに澄んだ眼の、怜悧そうな光のせいであろう。
織田作之助 土曜夫人 青空文庫
友子は白粉気もなくて蒼い皮膚を痛々しく見せていた。
織田作之助 青空文庫
蝶子は白粉気もなく、髪もバサバサで、着物はくたびれていた。
織田作之助 夫婦善哉 青空文庫
友子は白粉気なくて、蒼ぐろい皮膚を痛々しく見せていた。
織田作之助 青春の逆説 青空文庫
とある杉垣の内を覗けば立ち並ぶ墓碑|苔黒き中にまだ生々しき土饅頭一つ、その前にぬかずきて合掌せるは二十前後の女三人と稚き女の子一人、いずれも身なり賤しからぬに白粉気なき耳の根色白し。
寺田寅彦 半日ある記 青空文庫
洗髪の潰島田、ばっさりしてややほつれたのに横櫛で、金脚五分珠の簪をわずかに見ゆるまで挿込んだ、目の涼しい、眉の間に雲のない、年紀はまだ若いのに、白粉気なしの口紅ばかり、小肥して痩せてはおらぬが、幼い時から、踊が自慢の姿である。
泉鏡花 湯島詣 青空文庫