吟遊詩人
ぎんゆうしじん
名詞
標準
(wandering) minstrel
文例 · 用例
もちろん贋ものであろうが、彼はこれを南北戦争時分にアメリカへ流浪した西班牙王属出の吟遊詩人が用いたものだといっていた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
彼は其の島で唯一人の吟遊詩人でもあったのだから。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
と早合点して、一勢に腰掛の樽を叩いて拍子をとり、声をそろへて、「恋に焦れて悶ふるやうな――恋に焦れて悶ふるやうな――」 と合唱し、「やあ、聴かう/\、町から村へ流れ込んで来た俺達の親愛なる吟遊詩人の旅物語を聴かうぢやないか。
— 牧野信一 『歌へる日まで』 青空文庫
一年前の春……河畔の猫柳の芽がふくらみ、あの村境いの――」 私は一羽の鳶が螺旋を描きながら舞いあがっている遥かの鎮守の森の傍らに眺められる黒い門の家を指差して、同じ方角にゼーロンの首を持ちあげて、「強欲者の屋敷では桃の花が盛りであった頃に、お前に送られて都に登ったピエル・フォンの吟遊詩人だよ。
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
そりや、君、昔の吟遊詩人のやうに、ひとつ竪琴でももつて、輕井澤の別莊地を「オオカッサンとニコレット」でも唄ひながら歩いたらいいぢやないか、一番君に似合ふよ、なんて言つてやつてゐるうちに、道造君がだんだん悲しさうな顏をしだすのに氣がつきました。
— 堀辰雄 『緑葉歎』 青空文庫
そこで、この若い吟遊詩人はしばらく上を仰いで、思いだそうとするかのようだったが、やがて別の曲をかきならしはじめ、ほれぼれするようなやさしい様子で、ヘリックの「ジュリアに捧げる小夜曲」を歌った。
— ワシントン・アーヴィング Washington Irving 『クリスマス・イーヴ』 青空文庫
遠くはホーマーや中世の吟遊詩人、降って廿世紀のジャーナリストに至るまで、その文学的役割が割合一貫して問題にされている。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
「最後の吟遊詩人」(*Walter Scott の詩)に次のように書かれている。
— イェール大学で1913年に行った一連の講義 『近代医学の興隆』 青空文庫