芝桜
しばざくら異読 シバザクラ
名詞
標準
moss phlox (Phlox subulata)
文例 · 用例
恭二君は明治十年十月二十四日東京で生れ、芝桜田小学校から日本中学校に入り故杉浦重剛氏の薫陶を受けた。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
本宅を芝桜川町に構えて、別荘を橋場の渡しのほとりに持ち、昔は高利も貸しけるが、今はもっぱら陸軍その他官省の請負を業とし、嫡男を米国ボストンの商業学校に入れて、女お豊はつい先ごろまで華族女学校に通わしつ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
階下は小売商店の立続いた芝桜川町の裏通に面して、間口三間ほど明放ちにした硝子店で、家の半分は板硝子を置いた土間になっている。
— 永井荷風 『ひかげの花』 青空文庫
」 円タクに乗って、重吉が芝桜川町へ行く途中、お千代は明治座の前あたりでおろしてもらった。
— 永井荷風 『ひかげの花』 青空文庫
――これから招ばれて行く馬越様とは、実業界にときめく馬越恭平が芝桜川の邸宅では、今夜川田小一郎、渋沢栄一などときの紳商に圓朝をまじえた人たちが、夜を徹して風流韻事を語り明かそうという。
— 正岡容 『圓朝花火』 青空文庫
芝桜川町の家へ通夜に駆けつけた清親翁、落胆しつつ語る、「もう二十五、六年前だ、私が愛宕山へ写生に毎日出かけたが、いつも傍へ立って熱心に見ている子供があった。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫