螺旋形
らせんけい
名詞
標準
文例 · 用例
筒の中にはセレニウムの紐を螺旋形に巻いたものがあって、これから出た針金が電池と目的地の受信機とに接続している。
— 寺田寅彦 『写真電送の新法』 青空文庫
こゝろに白けた以上に白け切って眼の裏のまぼろしに、不思議と魚の浮嚢、餅の青黴、葉裏に一ぱい生みつけた小虫の卵、というようなものが代る/\ちらちら見え出して、身慄いが細い螺旋形の針金にでもつき刺されるように肩から首筋を刺した。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
紅薔薇色の壁寄椅子、四面の壁鏡、螺旋形の梯子段――もし蝸牛に踊子があってその派手で古びた殻をマントのように脱ぎ捨てたとしたらそれはこの小店だ。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
確かに捲きついたと思うと、あとから全体が螺旋形に縮れて、適当な弾性をもって緊張するのである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
薄暗い螺旋形の狭い階段を上って行く。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
時に、ここを通り過ぎて、廊下の彼方に欄干のある、螺旋形の段の下り口の処に立ち停って、宿直医と看護婦長と、ひそかに額を交えて彳んだのが、やがて首を垂れて、段を下りるのが見えた。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
土葉は三十枚、中葉は二十枚、本葉は十五枚を以て一把とし、一把のうちの一枚で葉柄の上部を包み、その端を螺旋形に卷き附け、結束する、これが規則である。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
その階段は螺旋形になつてゐた。
— 田中貢太郎 『黒い蝶』 青空文庫