鹹
かん
名詞
標準
文例 · 用例
そして経文を引用してある中に、海水の鹹苦な理由を説明する阿含経の文句が挙げてある。
— 寺田寅彦 『断片(2)』 青空文庫
折詰の飯に添えた副食物が、色々ごたごたと色取りを取り合せ、動物質植物質、脂肪蛋白|澱粉、甘酸辛鹹、という風にプログラム的に編成されているが、どれもこれもちょっぴりで、しかもどれを食ってもまずくて、からだのたしになりそうなものは一つもない。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
鹹ものは蓮根のぬかづけが好き。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫
水は、海水の流入によつて鹹水であるが、岩木川からそそぎ這入る河水も少くないので、その河口のあたりは淡水で、魚類も淡水魚と鹹水魚と両方宿り住んでゐるといふ。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
淡水に住むものと、鹹水に住むものとは、おのづからその形状も異つてゐるやうだ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
弁天様の池畔などで、ぐつたり寝そべつて甲羅を干してゐるのは、あれは、いしがめとでもいふのであらうか、絵本には時々、浦島さんが、あの石亀の背に乗つて小手をかざし、はるか竜宮を眺めてゐる絵があるやうだが、あんな亀は、海へ這入つたとたんに鹹水にむせて頓死するだらう。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
たいまいの他に、掌の鰭状を為してゐる鹹水産の亀は、無いものか。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
辨天樣の池畔などで、ぐつたり寢そべつて甲羅を干してゐるのは、あれは、いしがめとでもいふのであらうか、繪本には時々、浦島さんが、あの石龜の脊に乘つて小手をかざし、はるか龍宮を眺めてゐる繪があるやうだが、あんな龜は、海へ這入つたとたんに鹹水にむせて頓死するだらう。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫