尊皇
そんのう
名詞
標準
文例 · 用例
強賊を一喝して懼れ伏せさせた高山彦九郎(江戸時代後期の尊皇思想家)も、その未だ剣を学ばず自ら驕っていた時には、江上関龍(彦九郎の友人で剣術の達人)を斬ろうとして、関龍の為に笑って止められ、憤激すれども声は出ず刀を抜くことも出来なかった。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
学生間にでもですな、この際大いに尊皇の精神を鼓吹せなくちゃならぬ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
僕はこれで真実の尊皇だからね。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
大山君から近著“尊皇と禅”を贈られてゆつくり読む、杉本中佐、寺原少佐の純真にうたれる。
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
尊皇思想の勃興 家康、秀忠、家光と、江戸幕府三代の将軍は、朝幕問題、諸大名問題、切支丹問題、外国との通商問題、その他法制、経済、教化などに腐心してゐたが、彼等は幕府の政権の永続化を図る以外、何等高遠の理想を持つてゐなかつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
幕府が、御用倫理学と頼んでゐた朱子学派の山崎闇斎が、尊皇賤覇思想の一つの源とさへなつてゐるのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
かうして、江戸幕府が、自家の道徳的立場を擁護せんとして奨励した学問は、国体観念を勃興せしめ、それと不可分なる尊皇思想の擡頭を誘起してゐるのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
しかも、その修史の事業は、当時に於ける国史の定本を提供したと云ふだけではなく、水戸三十五万石の財力を傾注したと云はれる編史事業そのものが、学問の奨励となり、学者の優遇となり、国史の研究を促し、国学勃興の動因となり、尊皇精神の昂揚に多方面から寄与してゐるのである*。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫