廓大
かくだい
名詞
標準
文例 · 用例
以上のような花に比べると例えばホタルブクロのような大きな花は却って二十倍くらいに廓大して見てもそれ程びっくりするような意外な発見はないようであった。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
例えば鼻の大きい人の鼻を普通の計測的の大きさの比以上に廓大して描いたり、喜怒の感情の発現を誇張した身振りで示すがごときは、最も月並な慣用手段である。
— 寺田寅彦 『漫画と科学』 青空文庫
著者の志す所は厳君の『経籍訪古志』を廓大して、古より今に及ぼし、東より西に及ぼすにあるといっても、あるいは不可なることがなかろう。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
ただし馬の眼果して物を大に視るとするも、何もかも皆廓大さるるから諸物大小の割合は少しも常態を外れず、人は馬の眼に依然他の馬より小さく見えるはずと論じた人あり(一九一六年六月二十四日の『随筆問答雑誌』五〇九頁)。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
有司が前陣に立って勧めた薬が利き廻って今日ドサクサするに及び、ヤレ汽車賃を割引するから参宮に出掛けよとか、ソラ国費を以て某々の社を廓大しようとか大騒ぎに及ぶは既に手後れの至りで、汝の罪汝に報う「世の中の、うさには神もなき物を、心のどけく何祈るらん」と諸神が平家を笑うだろう。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
乱れた髪の毛と、膨れ気味の眼瞼は、一層彼女の美しさを廓大した。
— 小酒井不木 『好色破邪顕正』 青空文庫
そこで三人はにやにや笑って何事か囁き合い乍ら、今度は茶の間の畳の上を廓大鏡を出して、検査したが、やはり、彼等の努力は空に帰した。
— 小酒井不木 『犬神』 青空文庫
これは消極の廓大です。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫