装身
そうしん
名詞
標準
文例 · 用例
節子の箪笥に目ぼしい着物がなくなったと見るや、こんどは母のこまごました装身具を片端から売払った。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
※12 瓔珞=仏像の装飾に用いられるインドの装身具。
— 宮沢賢治 『インドラ[※1]の網』 青空文庫
だん/\募る夕闇の中に銀の食器と主客の装身具が、星座の星のやうに煌めいた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
哲学も科学も寒き嚔哉(昭和八年二月、渋柿)曙町より(十三) デパートなどで、時たま、若い年ごろの娘の装身具を見て歩くことがある。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
髪も断髪であるから、こういう装身具に用はないのである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
しかし、それなら、もしも娘たちが和服も時々は着て、そうして髪も時々は島田にでも結うのであったら、父なる自分ははたしてこれらの装身具をどれだけ喜んで買ってやることができるであろうか。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
早産後妻が病院で死んだこと、そのころから三村本家の人たちの感情がにわかに冷たくなり、自分の気持に僻みというものを初めて経験したこと、郁子の印鑑はもちろん、名義になっている公債や、身につけていた金目の装身具など、誰かいつの間にもって行ったのか、あらかたなくなっていたことも不愉快であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
他の連中は、埃及貴族の木乃伊と共に墓に納められた無数の宝石、装身具、調度類の掠奪に夢中になっていたが、パリスカスだけは、そんなものには目もくれず、相変らず沈鬱な面持で、墓から墓へと歩き廻っていた。
— 中島敦 『木乃伊』 青空文庫