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破傷

はしょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
だから、小さな傷から命とりの破傷風が起こった時に、慌てて騒ぎ出すんだわ」「うめえことを言やがるなあ。
――生きる為に―― 山谿に生くる人々 青空文庫
急所じゃがあせんッて、私もそう言ったんで、島野さんも、生命にゃあ別条はないっていうけれどね、早く手当をしてくれ、破、破、破傷風になるって騒ぐんで、ずきりずきりと脈を打っちゃあ血が湧くのが肝にこたえるって※いてね、真蒼です。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
仕方を見せて見物を泣かせる目算のあてはずれ、発奮で活歴を遣って退け、手痍少々負うたれば、破傷風にならぬようにと、太鼓大の膏薬を飯粒にて糊附けしが、歩行たびに腹筋よれて、跛曳き曳き、「あ痛、あ痛。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
それが破傷風の徴候であることを知つて恐怖心を懷いた。
長塚節 青空文庫
しかし卒業して間もない花房が、まだ頭にそっくり持っていた、内科各論の中の破傷風の徴候が、何一つ遺れられずに、印刷したように目前に現れていたのである。
森鴎外 カズイスチカ 青空文庫
花房は八犬伝の犬塚信乃の容体に、少しも破傷風らしい処が無かったのを思い出して、心の中に可笑しく思った。
森鴎外 カズイスチカ 青空文庫
ある者は牛から落ちた時に頭を強く撲ったのであろうと言い、ある者はさざえの殻でぶたれた傷から破傷風になったのであろうと言い、その診断がまちまちであった。
岡本綺堂 恨みの蠑螺 青空文庫
戦争とは蒼白い死体の行列が、何の意味もなく踊りまわり跳ねまわる中に、生きた赤々とした人間の大群が、やはり何の興味も、感激もなしにバタバタと薙ぎ倒おされ、千切られ、引裂かれ、腐敗させられ、屍毒化させられ、破傷風化させられて行くことである。
夢野久作 戦場 青空文庫