憎愛
ぞうあい
名詞
標準
文例 · 用例
憎愛の二極を撥無して、陰陽を統合した太極というような形の愛、それは理論的に考えて見られぬでもないことではあるが、かくの如きものが果して私達人間の生活を築き上げてゆく上になくてはならぬ重大問題だろうか。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
今夜も夜もすがら水音がたえない、階下は何だか人声がうるさい、雨声はトタン屋根をうつてもわるくない、――人間に対すれば憎愛がおこる、自然に向へばゆう/\かん/\おだやかに生きてをれる。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
聖人に夢なく凡人に夢は多すぎる、執着のないところに夢はない、夢は執着の同意語の一つだ、私はよく悪夢におそはれる、そして自分で自分の憎愛の念のはげしいのにおどろく。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
然らばでいゆすは即ち五塵の塊、五蘊の泉、憎愛簡択の源とこそ見ゆれ。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
アプロヂ,テイはいきどほり即ち答へて宣んし曰ふ、『愚かなる者警めよ、われを激すること勿れ、我怒る時一朝に憎愛處を換ゆべきぞ、 415二軍の中に怨恨を生ぜしむべきわが思索今はた汝恐れずや?
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫
ただ憎愛すること莫れ。
— 柳宗悦 『工藝の道』 青空文庫