行儀見習い
ぎょうぎみならい
名詞
標準
learning good manners through apprenticeship (to an upper-class family)
文例 · 用例
なんというか、まあ、お宅のような大家にあがって行儀見習いした者は、やはりどこか、ちがいましてな」すこし顔を赤くして笑い、「おかげさまでした。
— 太宰治 『黄金風景』 青空文庫
てるも追々お嫁さんになれるとしごろになったのだから、ただ行儀見習いだけのつもりで、ひとつ立派なお屋敷に奉公してみる気はないか、と老母にすすめられ、親の言う事には素直なてるは、ほんとうに、毎日こうしてうちで遊んでいるよりは、と機嫌よく承知した。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫
一つは行儀見習いの為で、高松のお近さんも十七の春から薙刀の出来るのを云い立てに、本郷追分の三島信濃守という四千石の旗本屋敷へ御奉公にあがりまして、お嬢さま附となっていました。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
それも其の土地に縁付くならば、どんな面倒な失費もよんどころないが、遠い江戸へ縁付けてしまうのに、そんな面倒をかさねるのはお互いにつまらない事であるから、さしあたっては行儀見習いの為に江戸の親類へ預けられるという体にして、万事質素に娘を送り出してしまいたい。
— 松茸 『半七捕物帳』 青空文庫
金八の話によると、お信は親方の妹の娘で、早く両親に死に別れて、七つの年からここの家に引き取られていたが、浅井の屋敷は永年の旦那筋である関係から、行儀見習いのために其の屋敷へ奉公に上げることになった。
— 新カチカチ山 『半七捕物帳』 青空文庫
その年の春、彼女は不図したことから、父の真吉の知人の紹介で、或る山の手の屋敷に行儀見習いに上ることになった。
— 宮本百合子 『光のない朝』 青空文庫
そこで、いよいよ懲らしめのため、も一つには行儀見習い、他人の御飯を頂かないものは我儘で、将来|人が使えないという、立派な条件を言いたてに、母が大好きで、自分が、旧幕時代の大名奉公というもの、御殿女中というものにあこがれていた夢を、時代の違った時になって、娘によって実現して見ることにきめてしまった。
— 長谷川時雨 『渡りきらぬ橋』 青空文庫
「御承知の通り私は四年生まで城北中学にいましたが、小林と云う理科の先生がありましてね、基督教信者でしたが、娘さんの確貞子と云いましたが、それを行儀見習いに支倉の所へ女中に出したのです。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫