幻辞.com

窪み

くぼみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
下から仰ぎ視て、黒い岩石の山稜に、白胡麻でも蒔いたように、細い雪が入っていると思われるのは、傍へ行くと、十町も二十町もある雪田であり、または山稜の窪みに喰い入った雪堤である。
小島烏水 高山の雪 青空文庫
君が生前、腰かけたままにやわらかく窪みを持ったクッションが、いつまでも、私の傍に残るだろう。
太宰治 思案の敗北 青空文庫
木材を満載したその荷馬車の車輪が道路の窪みの深い泥に喰い込んで動かなくなったのを、通行人が二人手を貸して動かそうとしていた。
寺田寅彦 断片(1) 青空文庫
その代りに地獄谷などという窪みは五メートルないし五十メートルの高さに埋められたそうである。
寺田寅彦 話の種 青空文庫
筧の水はそのたらひに落ちて、溢れにあふれて、地の窪みに流るる音しつ。
泉鏡花 竜潭譚 青空文庫
幕が開いた――と、まあ、言う体でありますが、さて唯浅い、扁い、窪みだけで。
泉鏡花 春昼 青空文庫
宮裏に、この地境らしい、水が窪み入った淀みに、朽ちた欄干ぐるみ、池の橋の一部が落込んで、流とすれすれに見えて、上へ落椿が溜りました。
泉鏡花 半島一奇抄 青空文庫
巌の窪みはどこもかしこも、賭博の壺に、鰒の蓋。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫