泳ぎ着く
およぎつく
動詞
標準
文例 · 用例
それから、ロビンソン、クルーソーみたように難船に逢って一人ッきり、人跡の絶えた島に泳ぎ着くなんかも随分面白かろうと考えるんです。
— 若松賤子 『忘れ形見』 青空文庫
これより岸までなほ數十間ありたれど、流れ緩なれば、容易に泳ぎ着くことを得たり。
— 大町桂月 『多摩川冒險記』 青空文庫
もし窓の外へ跳び出して、何とかして藤棚まで泳ぎ着くことが出来、その棚の上へ攀じ登ることが出来れば締めたものであるが、棚に達する迄の間に押し流されてしまうことは明かであった。
— 中巻 『細雪』 青空文庫
四方の壁際までにはやっとその光りが泳ぎ着く位で、四|囲は灰色の壁が朦朧と浮き出てストーブの火もいつしか消えていた。
— 小川未明 『点』 青空文庫
泳ぎ着くまでにさらに十数分かかった。
— 片岡義男 『物のかたちのバラッド』 青空文庫
しかし、この広い海へとびこんで、陸地までおよぎつくなんて、とてもできることではありません。
— 江戸川乱歩 『仮面の恐怖王』 青空文庫
「泳ぎつく処まで……どこまでも……どこまでも……誰も決してついて来るな」 と口に出しては云わなかったが、小初は高まる波間に首を上げて、背後の波間に二人の男のついて来るのを認めた。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
そして、自分はみすぼらしい服装に甘んじながら、妹の卒業の日をまるで泳ぎつくように待っているうちに、さすがに無理がたたったのか、喜美子は水の引くようにみるみる痩せて行った。
— 織田作之助 『旅への誘い』 青空文庫