絵双
えそう
名詞
標準
文例 · 用例
私、目についているのは、結綿に鹿の子の切、襟のかかった衣に前垂がけで、絵双紙屋の店に居た姿だ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
すると一軒の絵双紙屋の店前で、ひょッと眼に付いたのは、今の雑誌のビラだ。
— 二葉亭四迷 『予が半生の懺悔』 青空文庫
絵双紙でみた名古屋|山三そっくりなんだもの――」 この少しこまっちゃくれた下町娘は、もうよほど右門とはなじみとおぼしく、いささかもはにかみを見せないですぐと答えましたものでしたから、右門がいよいよ伝六の目を丸くするようなことを平然としていいました。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
――やはり料亭か」「いいえ、絵双紙屋でござんす」「アハハハハ。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
うちをまちがえてはいって、いいこころもちになって絵双紙でも見ておるやもしれぬ、ご苦労だが、ちょっと見にいってくれぬか」「かしこまりました。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
そのなかには年々歳々おなじ版をかさねているような、例のいろは短歌や道中|双六のたぐいもあるが、何か工夫して新しいものを作り出すことになっているので、武者絵双六、名所双六、お化け双六、歌舞伎双六のたぐい、主題はおなじでも画面の違ったものを撰んで作る。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
その頃のわたしを喜ばせたのは、絵双紙屋の店先であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
絵双紙屋というものは今ではまったく亡びてしまったが、小説類の小売店は即ち絵双紙屋で、その名のごとくに絵双紙を売る傍らに小説類や浄瑠璃の稽古本を売っていたのである。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫