射返す
いかえす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to return fire
文例 · 用例
庭一面にぐんと射当てゝ、ぐんと射返す初夏の陽光は、椽側にも登り、金魚の硝子箱を横から照らして、底の玉石と共に水を虫入り水晶のやうに凝らしてゐる。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
厚樫の心も透れと深く刻みつけたる葡萄と、葡萄の蔓と葡萄の葉が手足の触るる場所だけ光りを射返す。
— 夏目漱石 『倫敦塔』 青空文庫
われは泣かんとはづむ心の毬を辛くも抑へ、人人の中を脱けて小走りに、うしろの甲板に隠るれば、波より射返す白きひかり墓の如し。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
松葉形に繋ぎ合せた鎖の折れ曲って、表に向いている方が、細く光線を射返す奥に、盛り上がる七子の縁が幽かに浮いている。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
もし人情なる狭き立脚地に立って、芸術の定義を下し得るとすれば、芸術は、われら教育ある士人の胸裏に潜んで、邪を避け正に就き、曲を斥け直にくみし、弱を扶け強を挫かねば、どうしても堪えられぬと云う一念の結晶して、燦として白日を射返すものである。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
並ぶ轡の間から鼻嵐が立って、二つの甲が、月下に躍る細鱗の如く秋の日を射返す。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
葉の向きは固より一様でないから、日を射返す具合も悉く違う。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
「だが――」 と、先生は、その眼で次郎の眼を射返すように見ながら、「君のさっきからの話しぶりでは、せっかくのすばらしい経験も、まるで台なしになりそうだね。
— 第三部 『次郎物語』 青空文庫
作例 · 標準
敵の攻撃に対し、兵士たちは塹壕から一斉に射返し、反撃の狼煙を上げた。
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激しい論戦の最中、彼は相手の鋭い指摘に対し、冷静沈着に反論を射返した。
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観客のブーイングにも臆することなく、そのベテラン選手は渾身のシュートをゴールに射返し、意地を見せた。
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彼女の挑戦的な眼差しに、彼は静かに、しかし確固たる意志を込めて射返した。
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