藩内
はんない
名詞
標準
文例 · 用例
それより、藩内の各地は頻りに造林につとめ、百有余所の大藩有林を設けるに及んだ。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
明治維新の初期を彩つた、各地の討幕反幕の行動を挙げると、井伊直弼の首を挙げた桜田事件、閣老安藤|対馬を要撃して傷けた坂下門事件、薩藩内部の同士討であるが、京都に、武装蜂起を企てた伏見寺田屋事件、中山忠光の大和義挙、澤宣嘉、平野国臣らの生野義挙、そして元治元年の禁門戦争(蛤御門の変)などがある。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
両親に疎まれ、他人にあなづられて、心の僻み愈々|増り募るのみなりしが、たゞ学問と、武芸の道のみは人並外れて出精し、藩内の若侍にして、わが右に出づる者無し。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
一年、御城内の武道試合に十人を抜きて、君侯の御佩刀、直江志津の大小を拝領し、鬼三郎の名いよ/\藩内に振ひ輝きぬ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
藩内二百石の馬廻り某氏の娘御にしてお奈美殿となん呼べる今年十六の女性なりしが、御家老の家柄にして屈指の大身なる藤倉大和殿夫婦を仲人に立て、娘御の両親も承知の旨答へ来りし体、何とやらむ先方より話を進め来りし気はひなり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
われ何となく心危ぶみて、自身に藤倉大和殿御夫婦を訪ひ、お奈美殿は藩内随一の御|綺倆とこそ承れ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
さは去りながら其折の藩内の騒動は一方ならず。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
そうすれば藩内の不平士族が一時に武器を執って集まって来ましょう」 席上諸先輩の注視が期せずして奈良原少年に集まった。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫