金鈴
きんれい
名詞
標準
文例 · 用例
釈尊の居室の裡にて金鈴の音。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
再び金鈴の音ありて後居室の扉開く。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
妖魔亡びよ」 鉞をとり直して階段を登ろうとすると、女は金鈴を振り立てるような凛とした声で叱った。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
次の間からは、玄白斎の振っている金鈴の音が、時々微かに洩れて来た。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
花草の原のいづくに金の家銀の家すや月夜蟋蟀 月夜の蟋蟀の声を金鈴銀鈴と聞く心持からその栖家が「金の家銀の家」となるので、交感神経による音感と視感との交錯である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
涼しい、生き返るような風が一としきり長峰の方から吹き颪して、汗ばんだ顔を撫でるかと思うと、どこからともなく蜩の声が金鈴の雨を聴くように聞えて来る。
— 白柳秀湖 『駅夫日記』 青空文庫
元微之ハ玉磬ノ声声ニシテ徹シ金鈴ノ箇箇円ナルヲ以テ二ナガラ聯ネテコレヲ称ス。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
同じとっちりんとんで朝顔の琴の音はあまりにも如実に、三番叟への鈴音は迫真のなかにさんさんとふりそそぐ春の日、またその日の中に光りかがやく金鈴の色を手にとるように見せてくれた。
— 正岡容 『随筆 寄席囃子』 青空文庫