腐屍
ふし
名詞
標準
文例 · 用例
沼の表は、曇った空を映して腐屍の皮膚のように、重苦しく無気味に映って見えた。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
腐屍の臭いが、安岡の鼻を鋭く衝いた。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
土にはまるでそれが腐屍ででもあるように、臭気があるように感じた。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
そこは無数の赤ん坊の放り込まれた、お前の今まで楽しんでいた墓場の、腐屍の臭よりも、もっと臭く、もっと湿っぽく、もっと陰気だろうよ。
— 葉山嘉樹 『牢獄の半日』 青空文庫
またどこかに、象の腐屍がごろごろ転っていて、それを食う群虫がその昆虫霧かもしれない。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
むくんだ腐屍の眼球をつつく、海鳥の叫声。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
現代日本ニノミ存スル長子相續制ハ家長的中世期ノ腐屍ノミ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
おゝ君ら、先がけて解放の戦さに斃れた一萬五千の同志らの棺にも蔵められず、腐屍を禿鷹の餌食に曝す躯の上を荒れすさんだ村々の上を茫々たる杉松の密林に身を潜める火田民の上を北鮮の曠野に萠える野の草の薫りを篭めて吹け!
— 槇村浩 『間島パルチザンの歌』 青空文庫