申し聞ける
もうしきける
動詞
標準
文例 · 用例
猫の癖に運動なんて利いた風だと一概に冷罵し去る手合にちょっと申し聞けるが、そう云う人間だってつい近年までは運動の何者たるを解せずに、食って寝るのを天職のように心得ていたではないか。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
おぬしごとき犬に、もう何を申し聞けることはないのだ」 遊佐銀二郎、一歩下がって羽織の紐に手をかけた。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
さア其の日の朝になりますと、当人へ今日お年貢という事を申し聞けるや否や、すぐ切縄と申しまして荒縄で縛って連れて行かれるのでございます。
— 三遊亭圓朝 『後の業平文治』 青空文庫
侍「其の方は泳ぎを存じて居るか」百「ハイ、ここ此の村で生立ちましたから、少けえ時分から新利根川へ這入っちゃア泳ぎましたから、泳ぎは知って居やす」侍「左様か、もう少し傍へ来い、少し申し聞けることが有るから」百「ヘイ」 と何心なく侍の傍へ寄るや否や、侍が腰を捻って抜き討ちに百姓の肋へ深く斬り込む。
— 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分) 『粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)』 青空文庫
子供の時聞きたる事は年を取っても忘れぬものなれば、埒もなき事を申し聞けるよりは少なりとも善き事を聞かするにしくはなし〔人の親たるもの能く記臆せよ〕。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
「試合の前に一言申し聞ける」 主水はかたちを正して言った、「この度の勝負、勝つも負けるも必ず遺恨なきよう。
— 山本周五郎 『半化け又平』 青空文庫
万事はその上で申聞ける所存じゃ。
— 夢野久作 『名君忠之』 青空文庫