岸寄り
きしより
名詞
標準
文例 · 用例
その一部落の川岸寄りの、二番目か三番目の、通りとは名づけられないが、とにかく人の通り抜けるために出来た細長い、狭い空地に向つて、万福たちの飯場の、蓙を卸した三尺幅の出入口が開かれてあつた。
— 葉山嘉樹 『万福追想』 青空文庫
駅から町長の案内で、海岸寄りのBB旅館の前に初めは立った。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
「ほほう、いかさまゆうべも水騒動があったとみえて、だいぶ暇人がたかっているな」 ひょいと駕籠の中からからだを泳がしてのぞいてみると、河岸寄りのその栗木屋の前一帯は、ご苦労さまにも暑いさなかを、物見高い見物人が押しかけて、通行もできないほどの黒だかりです。
— 幽霊水 『右門捕物帖』 青空文庫
鮫洲の漁師たちも総がかりで、死んだ鯨を岸寄りの浅いところへ引揚げたものの、これまで鯨などを扱ったことがないから、どう処分していいか判らない。
— 岡本綺堂 『虎』 青空文庫
とても今更空々しくつて、お父さん――などと呼びかけるのは想つても水を浴びるやうであつた、彼は、つまらぬつまらぬと滾して國府津の海岸寄りの方へ別居した。
— 牧野信一 『文學的自叙傳』 青空文庫
とても今更空々しくつて、お父さん――などと呼びかけるのは想つても水を浴びるやうであつた、彼は、つまらぬつまらぬと滾して国府津の海岸寄りの方へ別居した。
— 牧野信一 『文学的自叙伝』 青空文庫
小舟にさおさして、岸寄りの深みの処にゆき、糸をおろした。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
用意して来た鍬を提げ地図を見い見い歩いて行ったのは、川の岸寄りの中洲であった。
— 国枝史郎 『大捕物仙人壺』 青空文庫