顔白
かおじろ
名詞
標準
文例 · 用例
顔白く、口のまわり、べたりと髯黒し。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
…… 来方は我にもあり、ただ御身は髪黒く、顔白きに、我は頭蒼く、面の黄なるのみ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
寂しかりしよ、わかれの時、凍てたる月に横顔白く、もの憂きことに窶れたまいし、日頃さえ、弱々しく、風にも堪えじと見えたまうが、寝着姿の肌薄きに、折から身を刺す凩なりし。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
しかし、六尺豊な体躯を持っている赫顔白髪の老翁の太古の風貌を帯べる考えと多情多感な詩人肌の彼の考えと到底一致する筈がない。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
オーストリア人で、日本へ遊びに行った帰りだという童顔白髪の男と話す。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
つゝじ咲て石うつしたる嬉しさよ更衣八瀬の里人ゆかしさよ顔白き子のうれしさよ枕蚊帳五月雨大井越えたるかしこさよ夏川を越す嬉しさよ手に草履小鳥来る音嬉しさよ板庇鋸の音貧しさよ夜半の冬のごときこれなり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
つゝじ咲て石うつしたる嬉しさよ更衣|八瀬の里人ゆかしさよ顔白き子のうれしさよ枕蚊帳五月雨の大井越えたるかしこさよ夏川を越す嬉しさよ手に草履小鳥来る音嬉しさよ板庇鋸の音貧しさよ夜半の冬の如きこれなり。
— 正岡子規 『俳人蕪村』 青空文庫
前髪黒く顔白く、眼に張りあって愛嬌あふれ、唇|紅く鼻高く、堂上方の公達か大管領の若者かと思われるようなその気高さ、莞爾と笑って座についたが、「私こそはこの家の主人。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫