辺海
へんかい
名詞
標準
文例 · 用例
だが、なんしい十年まえ大谷の御廟所を比叡山の大衆に焼き払われてから、大将株のお上人さまは加賀、越前と辺海の御苦労。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
唯一の錨もすでに海底に沈めり、余は絶望のあまり甲板に尻餅つきしが、しばらくして心つけば、余の全身は板のごとくなりいたり、なにゆえぞと問うなかれ、余は先刻よりあまりの驚きと悲しみのために、今まではそれに思い至らざりしが、この辺海上の寒気の激しさよ!
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
文永弘安の両役に於ける莫大なる戦費は勿論、その前後に於ける辺海警備の費用、諸社寺に於ける祈祷に対する恩賞などで、鎌倉幕府の財政は、漸く窮乏を告ぐるに至つた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
お竹如来のことはその後も忘れませんでしたが、芝増上寺の末寺飯倉赤羽橋の心光院に今なお祀られていることを最近に知り、それがまた故渡辺海旭先生と深い因縁のあることも分って、いまさらのように仏縁の尊さをしみじみと思うのであります。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
故渡辺海旭師にお願いして厳粛に開眼の式を行い、供養をしました。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
枕山がかくの如く三春の行楽を賦している時、鷲津毅堂は辺海の武備を憂い『聖武記採要』と題する三巻の書を板刻した。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
辺海を守れる将軍、紅毛人の衆きを患へて上陸を聴さざりき。
— 蒲原有明 『『聊斎志異』より』 青空文庫
如何に南北朝の戦乱が、我邦の武備機関を膨脹せしめ、而してその余勇は、漏らすに由なく、延いて支那辺海を擾したるよ。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫