糞度胸
くそどきょう
名詞
標準
文例 · 用例
アマチュアには、こわいもの知らずの糞度胸があるからかなわねえ。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
やるなら、やれ、と糞度胸を据え、また白樺の蔭にひたと身を隠して、事のなりゆきを凝視しました。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
が、それで気がさすどころか、存外糞度胸ができてしまって、まるで村芝居にでも出るようなはしゃぎ方だった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
とにかく、尻を落ち着けてやろうと思うと、もう鶴雄は糞度胸を決めてどっかとソファに凭れ掛った。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
そいつを我慢すべく熱い茶を一杯グッと嚥み込むと、破れカブレの糞度胸を据えたもんだ。
— 夢野久作 『焦点を合せる』 青空文庫
とにかく門鉄局長以来、好人物の小才子で通って来た大道良太先生に、どうしてあれだけの糞度胸があるのだろうとみんな舌を捲いた。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
一方菊池技師は、熊狩りで鍛えた糞度胸をいよいよムキ出しにして、問題の片盤坑の鉄扉を抜け出ると、再びそいつを鎖し、水平坑の小頭達を呼び寄せて、鎖した入口を厳重に固めさした。
— 大阪圭吉 『坑鬼』 青空文庫
『このやうに慈悲深き菩薩を山に伴ひて困らすなどとは、さても何たる罪惡ぞや』と良心一時腦中に閃きたるが、今更中止すべくもあらず』と糞度胸をきめたる凡夫の心こそ淺間しけれ。
— 大町桂月 『夜の高尾山』 青空文庫