金商
きんしょう
名詞
標準
文例 · 用例
相手は生玉前町の電球口金商野瀬安二郎であった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
安二郎はうどん屋の出前持ちであったが、兄の商売の秘法を教えられ、生玉町に一戸を構えて、口金商を始めた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
この藤太は近衛院の御時の人にて、金商橘次、橘内橘王が父なりと。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
『閑田耕筆』三に、人は眼馴れた物を貴ばず、鶏や猫が世に少なかったら、その美麗で大用あるを賞し争うて高価で求むるだろうと言ったはもっともで、ロンドン市長が素寒な少年時代に猫ない土地へ猫を持ち渡り、インドの鼠金商主が、死鼠一疋から大富となった話も実際ありそうな事だ。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
お金商売だもの一日変りだろうよ。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫
午後の日光が窓々の閉った建物の真正面を照し、軒蛇腹のところの厚い金商牌を埃っぽく輝かせている。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
……御所のご用品なれば儂たちの係りだから、どうなとなるが、六波羅殿には、何のご縁もなし、わけて黄金商人の執りもちなどしたら、他の商人から怨まれもするし、世間の口もうるさかろう」「いやいや。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
その貧乏をつけ目で、金商人の吉次などは、私邸へ近づいて来たものだった。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫