胆不
たんふ
名詞
標準
文例 · 用例
彼は大胆不敵になり、無謀にもただ一人、門を乗り越えて敵の大軍中に跳び降りた。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
――鶏の声を聞きながら、大胆不敵な鼾で、すやすやと寝たのである。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
手拍子拍つやう、腰の麻袋をはた/\と敲いたが、鬼に向つて臀を掻く、大胆不敵の状が見えた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
大胆不敵な彼も、多数の前には恐怖した。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
「――」 これは詩人クローデルが大胆不敵にいひ除けた、「主は現代の停車場にも、劇場にもある」といつた、韻致カソリシズムの象徴かと桂子は想ふ。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
「こんな可愛いい子が……」 煙草や飴玉をひそかに留置場へ持ってはいっている大胆不敵さに、陽子は驚いたのだ。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
ジェームスジョイスなどこの紋切型を破ろうとして大胆不敵な「ユリシイズ」を書いたが(「……」と彼は言った)などという月並みな文章がやはりはいっていて、何から何まで小説の約束から逸れるというわけには参らなかったようだ。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
負けるを承知にしても、なんと不逞々々しい男かと呆れるくらゐの、大胆不敵な乱暴さであつた。
— 織田作之助 『聴雨』 青空文庫