烽火
ほうか
名詞
標準
文例 · 用例
尤も電波とは云ってもそれは今のラジオのような波長の長い電波ではなくて、ずっと波長の短い光波を使った烽火の一種であるからそれだけならばあえて珍しくない、と云えば云われるかもしれないが、しかしその通信の方法は全く掛け値なしに巧妙なものといわなければならない。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
そうして浮かしてある栓の棒がだんだんに下がって行って丁度所要の文句を書いた区分線が器の口と同高になった時を見すましてもう一度烽火をあげる。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
この場合には土器を漏れる水の代りにフィルムを巻いた回転円筒が使われ、棒に刻んだ線を人間が眼で見て烽火を挙げる代りに真空光電管の眼で見た相図を電流で送るのである。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
今や、はね散って、むす子の上に烽火を揚げている。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
岸から打ち上げる目標の烽火が紫だって暗黒な空の中でぱっとはじけると、※々として火花を散らしながら闇の中に消えて行く。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
音は聞こえずに烽火の火花は間を置いて怪火のようにはるかの空にぱっと咲いてはすぐ散って行く。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
儂は虚妄の烽火には驚かんて」「ハハハハ、虚妄の烽火ですか」法水はとたんに爆笑を上げたが、静かな洗煉された調子で云った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
虚妄の烽火には驚かんよ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫