端下
はした
名詞
標準
文例 · 用例
そうして、十五両や二十両の端下金で大事の娘をおめえ達に渡されるものか、娘がほしければ別に百両の養育料を持って来いとそらうそぶいた。
— 二人女房 『半七捕物帳』 青空文庫
所詮お帰りまでは面出し無用じゃ」 いつもの事で、珍らしくないと思いながらも、鎌髭を食いそらした奴どもが怖い伯母御に縮み上っている、無邪気な子供らしい様子が堪らなくおかしいので、お仙は端下ない声をあげて笑った。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
腹を立つるほどなら仔細をいえ」 お菊は自分がどんな端下ない風情を男に見せたかと思うと、恥かしいのを通り越して急に悲しくなった。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
その端下ないのを小坂部は眼で叱って、さらに眇目の男を屹と眺めた。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
わたくしのような端下者が何でそのような……。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
今から思えば嘘のようでもあるが、その五十六銭がわれわれに取っては相当の大金で、僕は五十銭しか持っていないから端下の六銭は君が出してくれ給えなどと言うようなこともあった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
黒書院溜で老中列座の上、大目附稲生|下野守から書附をもって、式部大輔儀常々不行跡に付、隠居被仰付候急度相慎可罷在候、且、大手先屋布被召上、池之端下屋布居住可仕候 という御達があった。
— 久生十蘭 『鈴木主水』 青空文庫
その連中は、馬丁や廐番の小僧たち、靴磨き、その他名のつけられない風來坊、宿屋や酒屋に出沒して使ひ走りをしたり、ありとあらゆる端下仕事をして、臺所の殘り物、酒場のしたみを頂戴して肥るという徒輩である。
— アーヴィング 『驛傳馬車』 青空文庫