定稿
ていこう
名詞
標準
文例 · 用例
が、いまの私には、さういふやうなことも一つの思ひ出になつたので、未定稿のままであるが、それをこの私記のうちに收めておくことにした。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『旗手クリストフ・リルケ抄』 青空文庫
もし、この一編の覚え書きのような未定稿が、映画の製作者と観賞者になんらかの有用な暗示を提供することができれば大幸である。
— 寺田寅彦 『映画の世界像』 青空文庫
八月にはほぼ決定稿が仕上がっていたにも関わらず、本来の目標であるエキスパンドブックでの出版は、二つの要素が重なって翌年に持ち越しました。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
ともすれば、わき筋に入りこむ傾向のつよい初稿を読み、物語としての軸を明確にするよう腐心してくださった、新潮社出版部の佐久間憲一氏に、この決定稿は大きく負っている。
— 第3章 フルサークル、1991年 『45回転の夏』 青空文庫
――(未定稿)一、辛いもの好きは辛いものを、甘いもの好きは甘いものを持参すべし。
— 伊佐行乞 『行乞記』 青空文庫
・逢うて菜の花わかれて菜の花ざかり いちめんの菜の花の花ざかりをゆく さくらちりかゝる旅とたつたよ・旅もいつしかおたまじやくしが泳いでゐる 途上未定稿(作品そのものは――)未完成稿(芸術家その人は)旅やけ!
— 昭和十四年 『旅日記』 青空文庫
これ余がこの未定稿を版行する所以なり。
— 夏目漱石 『『文学論』序』 青空文庫
既に未定稿なるが故に現代の学徒を教へて、文学の何物たるかを知らしむるの意にあらず。
— 夏目漱石 『『文学論』序』 青空文庫