揖
揖
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、するどき薄刃をさげ、左手をもつて敵手に揖す、はや東雲あくる楢の林に、小鳥うたうたひ、きよらにわれの血はながれ、ましろき朝餉をうみなむとす。
— 萩原朔太郎 『決鬪』 青空文庫
私は一揖して、直ちにキューを取つた。
— 中原中也 『西部通信』 青空文庫
」魚容は一揖して、「何せどうも、身は軽くして泥滓を離れたのですからなあ。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
日本の老若男女の乗客があっけにとられて見ている中で、大声でわめいて互いに揖譲して終らぬうちに、がたんと車体が動くと同時に、その一団は折りかさなって倒れる。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
博士、僧都、一揖して廻廊より退場す。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
蟹五郎 美濃の国には、名だたる揖斐川。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
学円、高く一人|鐘楼に佇み、水に臨んで、一揖し、合掌す。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
小次郎法師は、寿くごとく、一揖して、「成程、尉殿だね。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫