貧女
ひんじょ
名詞
標準
文例 · 用例
関山派の長老の夢に久しく飼った白犬告げて、われ門前の者の子に生まれるから弟子にされよと、やがてそのごとく生まれ、貧女故捨てんとするを乞うて弟子としたが、長じて正直者ながら経を誦む事鈍かった(『因果物語』中)。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
人は先帝の喪に服して涙|未だ乾かざれども、厚氷その片端の解くる如く心は既に新しき御代の春に和らぐ初日うららかなる下に、草莽の貧女われすらも襟正し、胸躍らせて読むは、今上陛下朝見第一日の御勅語。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
もっと謡えよ」月|充ち日足りて生産の時いたれば業風ふきて是を促し骨節ことごとく痛み苦しむ父も心身おののき懼れ母と子とを憂念し諸親|眷族みな苦悩すすでに生れて草上に堕つれば父母、欣び限りなく猶、貧女の如意珠を得たるが如し 初めはふざけていた彼らも、次第に意味が酌めて来ると、聞くともなく聞き惚れていた。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫