絹織り
きぬおり
名詞
標準
文例 · 用例
だって、もしトリガーセンが死んだら、間違いなく私が殺したのですから」 メアリは絹織りの鐘楼綱をひっつかんで、激しく引っ張った。
— TREGARTHEN'S WIFE 『トリガーセンの妻』 青空文庫
高価な椅子や卓や鏡や、絹織物が、誰れからも、一顧も与えられなくなってしまった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
そして擴がりのある物――たとへば川とか、橋とか、長い町竝とか、やけに大きな廣場とか――と關係のあるすべての物は、自分の背後にその擴がりを背負つてゐる、そしてそれにまるで絹織物の上にのやうに描かれてゐるのだ。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から』 青空文庫
この朝予は吉田の駅をでて、とちゅう畑のあいだ森のかげに絹織の梭の音を聞きつつ、やがて大噴火当時そのままの石の原にかかった。
— 伊藤左千夫 『河口湖』 青空文庫
前波不動の幽雅な小丘を右に見て、また耳に聞く左は梭の音のしずかな絵絹織る松倉の里である。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
リオンの絹織工が大規模のストライキを行ったのにつづいて、ブランキーの反抗があり、急速に発展した資本主義の矛盾に対して勤労階級の反抗が沸き立っていた。
— 宮本百合子 『カール・マルクスとその夫人』 青空文庫
江戸趣味といわれる、着物や羽織の裏に莫大な金をかける粋ごのみ、一見木綿のようでひどく質のいい絹織である結城紬、こういうこのみは、政治上の身分制に属しながら、経済の実力では自分を主張した町人階級の反抗の形としてあらわれたのであった。
— ――誰がために―― 『衣服と婦人の生活』 青空文庫
精好とは精好織の略で絹織物の一種である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫