訝しむ
いぶかしむ
動詞-五段-マ行動詞-他動詞
標準
to be suspicious of
文例 · 用例
彼は丹念にあらためながら、時にはひからびた額に刻まれた険悪な皺や、陰欝な口の辺に生々しく這う線に不気味な凄惨な悦びを味い、また時にはそれらに表われた罪悪の徴と歳月の痕と、果して何れがより恐しいかと訝しむこともあった。
— The Portrate of Dorian Gray 『絵姿』 青空文庫
どこから帰ったのかとはじめは訝しむ。
— 鈴木三重吉 『千鳥』 青空文庫
正吉が知らずと云う、梅雨あけの頃は、まだ丈伸びぬ時節であるから、今日見付けたのを、訝しむ仔細は無い。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
年月立つて後、記憶にたよつて整理し、歌の順序も立てゝ行つたものと思はれるだけに、かうした錯誤のあるのは訝しむに及ばない。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
少年は無論、その目的を訝しむほどの世間知の持ち合せはなかつたが、一種の本態によつて、嗅ぎ当てるべきものだけは嗅ぎ当ててゐたのである。
— 神西清 『少年』 青空文庫
高貴のなさることは概して下賤の常識では計りかねる非凡なところが多いのだから、その物々しい覆面も例の伝だと思ってさして訝しむこともなかった。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
で、いよいよ押し詰まった廿五日に、まだ一日二日は部屋に籠っているつもりで、寝床の上にすわりながら新年の雑誌を読んでいると、これから本家へ帰るのだと云って、妙子が左様ならを云いに来たので、「何でやねん、こいさん、まだお正月には一週間もあるのんに」と、幸子は軽く訝しむように云った。
— 上巻 『細雪』 青空文庫
按ずるに視覚を失った相愛の男女が触覚の世界を楽しむ程度は到底われ等の想像を許さぬものがあろうさすれば佐助が献身的に春琴に仕え春琴がまた怡々としてその奉仕を求め互に倦むことを知らなかったのも訝しむに足りない。
— 谷崎潤一郎 『春琴抄』 青空文庫
作例 · 標準
彼は友人の不自然な行動を訝しんだ。
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その知らせの信憑性を誰もが訝しんだ。
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彼の話があまりにも完璧だったので、私はつい訝しんでしまった。
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