湯漬け
ゆづけ
名詞
標準
文例 · 用例
これを菜にし、そして釜で煮えた乾米の湯漬けを秀吉主従に勧めるのでした。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
日が暮れると例の客室へ席を移すことを女房たちは望み、湯漬けなどのもてなしをしようとしたのであるが、来ることのおくれた自分は、今はせめて近い所にいて看病がしたいと薫は言い、南の縁付きの室は僧の室になっていたから、東側の部屋で、それよりも病床に密接している所に屏風などを立てさせてはいった。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
お湯漬けでもちょっと召し上がってごらんになりませんか」 などと世話をやくのを、利巧ぶっても老人ふうになってしまったこの女は、自分が死んでしまえばどこへ行くであろうと、そんなことも想像して浮舟は悲しかった。
— 浮舟 『源氏物語』 青空文庫
ゆるりと落ち着いて話などをしている客に湯漬けなどが出された。
— 夢の浮橋 『源氏物語』 青空文庫
「おお空腹か、そうであろう、誰か湯漬けを持って来い。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
「柳営より諸役人へ賜わるお料理、老中、若年寄はお湯漬けにてよろしく、お側衆、評定衆の面々は、一汁一菜香のものにて結構と、田沼様おきめ遊ばされました際に、お城坊主が作りました、勤倹令嘲笑の不届きの落首で」「その通りじゃ、それがどうした?
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
堀田道空の給仕で、盃ごとをすませ、湯漬けをたべる。
— 坂口安吾 『梟雄』 青空文庫
冷飯の湯漬け、サラサラと片づけて、「この一件が落着したら、へそが眼をまわすほど御馳走することにして、今晩はこれで我慢してくれ」「――」 そういわれると、八五郎はぬるい湯にむせて、ひどく咳き込んだりします。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫