葉叢
はむら
名詞
標準
文例 · 用例
磨かぬ石炭のように黒黒と堅そうな幹は盛り繁った若葉を垂れ、その葉叢の一群ごとに、やがて花になろうとする穂のうす白い蕾も頭を擡げようとしていた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
」 野兎は麻の幹に突きあたりながら、零余子の葉叢の中に馳け込んだ。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
庭園へ飛び下りて、萩の葉叢を薙ぎ倒しつつ広場の方へ馳けて来た。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
遠くの麻の葉叢の上を、野牛の群れが黒い背だけを見せて森の方へ動いていった。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
するとその最後の牛の背が、遽に歩を早めて馳け出したとき、刺青のために青まった一人の奴隷の半身が、赤く血に染った一人の身体を背負って、だんだんと麻の葉叢の上に高まって来た。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
間もなく今まで積まれてあった鹿の小山の褐色の色が、麻の葉叢の上からだんだんに減ってくると、それにひきかえて、珊瑚色の鹿の小山が新しく晴れ渡った空の中に高まってきた。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
しかし、反絵は彼らとは反対に広場の外へ、鹿の死体を飛び越え、馳け寄る兵士たちを突き飛ばし、麻の葉叢の中を一文字に使部たちの方へ突進した。
— 横光利一 『日輪』 青空文庫
と、行く手に竹藪があって、出たばかりの月に、葉叢を、薄白く光らせ、微風にそよいでいたが、その藪蔭から、男女の云い争う声が聞こえて来た。
— 国枝史郎 『血曼陀羅紙帳武士』 青空文庫