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憑着

憑着
名詞
1
標準
文例 · 用例
幸い前の縁の雨戸一枚、障子ばかりを隔てにして、向うの長土間へ通ずる処――その一方だけは可厭な声がまだ憑着きません。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
だいたい、憑着性の強い人物というものは、一つの懐疑に捉えられてしまうと、ほとんど無意識に近い放心状態になって、その間に異様な偶発的動作が現われるものだ。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
たしか、レヴェズの心中には、何か一つの狂的な憑着があるに相違ない。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
実は、妙な憑着が一つあってね。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
で、先刻この本を見たとき、ふと思いあたったことだが、君はシャバネーが|運命の先行者と云った、憑着心理を知っているかね。
小栗虫太郎 潜航艇「鷹の城」 青空文庫
「成程、心理試験か……」検事が訊ねるともなしに呟くと、この一葉の上に、法水が狂的な憑着をかけているのが判った。
小栗虫太郎 夢殿殺人事件 青空文庫
そのように、滝人には一つの狂的な憑着があって、その一事は、すでに五年越しの疑惑になっていた。
小栗虫太郎 白蟻 青空文庫
がその時はそう云いながらも、何かそれ以外に、一つの憑着が頭の中にあるとみえて、いくつかの鳥や獣の、名前を口にするごとに、首を振っては、何ものかを模索している様子だった。
小栗虫太郎 白蟻 青空文庫